ヨガにはどんな種類があるのか。流派と「道」の二つのレイヤー

はじめての方へ

ヨガを始めたいと思って調べてみると、「ハタ」「ヴィンヤサ」「アシュタンガ」「アイアンガー」「陰」「ホット」と、聞きなれない名前が並んでいます。どれを選べばいいのか、何が違うのか、最初は誰でも迷うところです。

先に結論を書きます。ヨガの「種類」には、二つのレイヤーがあります。一つは、街のスタジオや動画でよく目にするポーズ系統の流派。もう一つは、その奥にある「道(マールガ)」と呼ばれる、何を通じて真理に向かうかという軸です。

最初は、表のレイヤー、つまりポーズ系統の流派で選んで構いません。続けていくうちに、自分が向かっている道が、自然と見えてきます。

水辺で静かにヨガを行う、自然の中の穏やかな時間

まずは表のレイヤー。ポーズ系統の流派

「ヨガの種類」と検索した方がよく目にするのは、こちらのレイヤーです。代表的なものを順に整理します。

ハタヨガ

体を使ったヨガの総称的な上位カテゴリです。これから紹介するヴィンヤサ・アシュタンガ・陰ヨガなども、広い意味ではすべてハタヨガに含まれます。スタジオで「ハタヨガクラス」と書かれている場合は、流れも穏やかで、ポーズを丁寧に取る基本的なスタイルを指すことが多いようです。

ヴィンヤサ

流れの中で動くヨガです。一つのポーズから次のポーズへ、呼吸に合わせて滑らかに移っていきます。ポーズの順番や組み合わせはクラスごとに変わることが多く、自由度が高いのが特徴です。動きが連続している分、運動量も比較的しっかりあります。

アシュタンガ

決まったポーズが決まっていて、それに忠実に行うスタイルです。毎日同じシーケンスを繰り返します。一見単調に感じられるかもしれませんが、同じことを続けるからこそ、自分の中の小さな違いや変化を実感しやすいという面があります。かなりハードなヨガであり、自分自身の成長や心を見つめる場としては、深いものがあると言われています。

アイアンガー

決まった形を忠実に行う点はアシュタンガと似ていますが、ポーズの「形の正確さ」をより重視します。ブロックやベルトといった補助具(プロップ)を使って、無理のない範囲で正しい形を取ることが特徴です。

陰ヨガ

ゆっくり動き、固定したポーズを心地いいところで保つスタイルです。一つのポーズを数分単位で続けます。静かに動くこと自体が、身体の伸びと心の解放につながると感じる方が多いようです。

ホットヨガ

これは独立した流派ではなく、環境の話です。高温多湿のスタジオで行うヨガを指します。ヴィンヤサ・アシュタンガ・アイアンガーなどが、ホットヨガとして提供される場合があります。

緑の庭で静かに瞑想する穏やかな時間

その奥にあるレイヤー。四つの「道(マールガ)」

ここからが、表からは見えにくいレイヤーの話です。

ヨガには伝統的にマールガと呼ばれる「道」の概念があります。何を通じて真理に向かうのか、その軸の違いです。ポーズ系統の流派とは別の整理体系ですが、実際の修行ではこの両方が同時に進んでいきます。

ラージャヨーガ(王道)

「すべてのヨガを行う」と表現される、あらゆる要素を含む王道です。これから紹介するバクティ・カルマ・ギャーナ・ハタの要素を、一つの実践の中に統合していきます。

バクティヨーガ

捧げるヨガです。祈る、歌う、自分を超えた何かへの親愛—— 「捧げる」という行為が中心にあります。宗教的に聞こえるかもしれませんが、特定の宗教の信仰を求めるものではありません。「自分を超えた何か大きなものに、ふと身を任せてみる」という姿勢のヨガと言えます。

カルマヨーガ

日常生活・行為のヨガです。食事をとる、野菜を育てる、人と関わる—— 日常のすべての行いに、ヨガ的な精神を宿す道です。マットの上だけがヨガではない、ということを最も強く伝える道とも言えます。

ギャーナヨーガ

身体を使わないヨガです。勉強する、本を読む、瞑想する—— 知識と思索を通じて真理を目指します。ポーズだけがヨガではないということを、別の角度から示してくれる道です。

道としてのハタヨーガ

「ハタ」という言葉は、ここでもう一度出てきます。流派の名前としてのハタヨガと混同しやすいのですが、道としてのハタヨーガは、体を使って真理を目指すという、一つの大きな方向性を指します。流派としてのハタヨガは、この道の中の具体的な実践方法の一つ、と理解しておくと整理がつきやすいかもしれません。

夕暮れの自然の中で静かに立つヨガのシルエット

二つのレイヤーは、どこかで重なっていく

ここまで読んで、二つのレイヤーがどう関係しているのか、気になっているかもしれません。

簡単に言えば、表のレイヤー(流派)は、いずれもどこかの道に繋がっています。アシュタンガを続けていれば、ラージャヨーガの全体性が見えてきますし、陰ヨガを深めていけば、静かに自分を見つめるギャーナの側面に触れることもあります。バクティの「捧げる」感覚は、流派を問わず、ハードに練習を続けた先で湧いてくることが多いと言われています。スタジオの選び方で道が決まるわけではなく、続けていく中で、自分が向かっている道が見えてくるのが、ヨガの面白いところです。

「自分の道」が見えてくる、ということ

伝統的なヨガの教えでは、続けていくうちに、自分が向かっている道が自然と現れてくる、と言われています。あらかじめ「私はバクティの道に行く」と決める必要はありません。

ハードに練習を続けているとき、ある瞬間に、自分一人の力で動いているのではない感覚が湧いてくることがあります。「自分は生きているけれど、自分より大きな力の中で生かされている」という感覚。そこから、人や物や環境への感謝が、論理ではなく身体の感覚として湧いてくる。そうした体験を通じて、自分の道が少しずつ輪郭を持ち始めます。

これは、すべての方に起こるとは限りません。湧いてくる方もいれば、湧いてこない方もいると思います。ただ、もし起こったときに、それを「自分の道のサイン」として受け取れる準備をしておくことは、できるかもしれません。

種類で迷う方へ。一つの考え方

最初に伝えた結論を、もう一度書きます。ヨガは、自分自身が求めて押し出すものではなく、自分自身が力を抜いたときに、ふとやってくるものです。

最初から「私はこの流派、この道」と決め込まずに、まずは一つ始めてみる。続けていく中で、向こうから何かが立ち上がってくるのを、静かに待ってみる。それで十分です。

「流れが好きそうだ」と感じたらヴィンヤサ。「同じことを繰り返すほうが向いていそうだ」と感じたらアシュタンガ。「静かに過ごしたい」と感じたら陰ヨガ。そのくらいの感覚で選んで、しばらく続けてみてください。

最後に

ここまで読んで、自分がどの流派に惹かれそうか、少し見えてきたかもしれません。あるいは、まだ何も決められない、という方もいるはずです。どちらでも構いません。最初の一歩を、誰かに見られながら踏み出すのが怖い、という気持ちも、自然なものです。

最初の一回は、画面を見ているだけでも構いません。オンラインで、自分の家の中で、誰の視線にも晒されずに、ヨガがどんなものかを知ることができます。free-yoga-japan.com から登録できます。


画像: Pexels

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